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Nov 7, 2019

令和元年介護保険施設等事故防止対策研修会に参加して

本館1階:野村 有美香

令和元年10月30日に行われた、介護保険施設等事故防止対策研修会に参加しました。

講義『介護現場の質を高めるリスクマネジメント~利用者安心、明日からの気づきが増える観察力とチーム連携~リスクマネジメントを通して介護の専門性を高め合う!!』というテーマで、岐阜県社会福祉会会長 安達智紀氏と、特定非営利活動法人ひだまり創理事長 谷貴順氏による公演がありました。講義内容について学んだことは以下の通りです。

ヒヤリハットとは、重大な事故は起こらないものの、事故に直結してもおかしくない事例のことである。介護現場では高齢者自身に起因するヒヤリとする場面、職員のミスによってヒヤリとする場面が多くある。事故を未然に防ぐためには、個々が経験したヒヤリハットの情報を共有し、傾向や原因を明らかにし、十分な対策をとる必要性がある。しかし、個人のスキルだけに依存してしまうと、どのような視点で考えなくてはならないか分からず、実効性のあるものが出てこない。効果的なヒヤリハットを上げるためには、小さな気づきができるだけの経験と知識が大切となる。

また、慢性的な事故の多さと報告の現状として、事故後のミーティングは行われているものの、「しっかり観察する」「こまめに見守りを行う」など、抽象的な対策に終わってしまい結論までたどり着けていない現状がある。日々の記録を見ることで原因が見えてくるものの、その内容が表情など見ただけで分かること以外の、ちょっとした身体状況の異常を書くことができているかが大切となる。また、記録を見返す際、職員全体が知識に差がないかが大切となり、記録の内容を誰もが同じように読み取れるだけの知識が必要となる。

リスクマネジメントを行う中で、一人の職員が起こしてしまったことは、他の職員も起こしてしまう。他の部署でも起こってしまうことで、その内容を組織共有することが重要となる。そして、分析的思考を持ち一つのリスクについて繰り返し分析することで、誰でも理解できる内容を説明することができるようになり、実効性のあるマニュアルを作成することにもつながっていくのである。

リスクを分析していくために必要なものとして、私たちが日々残している記録がある。今後は、その記録からその先の対策につなげていけるようにするため、より具体性のある記録を残していくところから始めていきたいです。