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Dec 2, 2021

ワンチームでおこなうターミナルケア研修

令和3年12月1日に『ワンチームでおこなうターミナルケア研修』に参加しました。

 

1.終末期のケアの概念を理解する

・看取りケアとは、近い将来、死が避けられない人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するととも

に、人生の最後まで「尊厳ある生活を支援」すること。

・患者一人ひとりの尊厳を尊重し、最後の時まで生に焦点を当てることがホスピスの理念である。

・当たり前に生きる。暮らしの中で看取る、ケアする。

・WHOの緩和ケアの定義とは、痛みと他の苦痛な症状の緩和を提供する事。生きることを肯定し、死にゆく過程

を正常なものと尊重する。死を早めることにも、遅らせることも意図しない。患者の心理的・スピリチュアル

な面を統合したケアを行う。死が訪れるまで、患者が積極的に生きていけるように援助する。

・末期患者の苦痛は、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルな苦痛の4つの苦痛が影響し合っ

て苦痛を形成する。

・多職種総合的チーム・・医師、看護師、薬剤師、介護士、臨床心理士、管理栄養士、理学療法士、ソーシャル

ワーカー、ボランティア等。

 

2.日本の終末期ケアの現状を理解する

・1970年代後半から病院への依存が高まり、病院で死亡する方が大きく増加し、自宅で死亡する方は減少。

2010年頃から施設等の暮らせる場所での自然な看取りが少しずつ増えてきている。

・現在の課題は、家族形態の変化により自宅での看取りは困難であることから、福祉関係施設における看取りの

実施、在宅支援診療所の強化、機能強化型在宅支援診療所を増設、ケア付き住宅や有料老人ホーム等での看取

り。

 

3.今後の終末期ケアの方向

・本人や家族の選択と心構えを土台に地域での協働・多職種連携し、ケアの方針を決める仕組みづくり。

・日本の特徴として、理想の死と現実の死のギャップが大きい。理由として本人が自分の思いをなかなか伝えら

れない、意思表示が苦手、本人の意思が不明確、年寄差別で決めつけの考え方があることがあげられる。

・緩和ケアの基本理念・・①本人の願う最後を実現すること(尊厳を守る)②今を生きる人へ命をつなぐ、意思

決定の支援の在り方を共有し、家族を支える③人生の最終段階におけるケアの質を可能な限り維持、その為の

医療・ケアの実践をチームで支えていくこと。

 

4.多職種連携による質の高い終末期ケアが実践出来る

・連携の目的・・多職種連携とは質の高いケアを提供するために、異なった専門的背景を持つ専門職が、共有し

た目的に向けて共に働くこと。

・福祉施設における看取りケア・・①施設の方針の決定とその周知②看取り理念の共有③利用者と家族の意向の

確認④インフォームドコンセントの実施体制⑤受け入れ体制の整備⑥看取りケアの研修計画と実施⑦ケアマニ

ュアルの作成

・急変時にみられる状況・・利用者が意図しない救命措置が行われる可能性があるため、何度も多職種連携し、

話し合う事が必要。

・死が差し迫った時期の家族に対するケアも必要。

 

5.本人家族が満足できる終末期ケアが実践できる

・①本人、家族のQOLの向上②本人、家族の満足感の向上③家族への支援の充実④スタッフ間の信頼関係の向上

⑤自信、やりがい、意欲の向上

 

6.研修を終えて

死が避けられない状況の方に看取りケアを行うが、本人が様々な病気等で意思決定が出来ないことも多くあり、またその家族もどうしたらよいか決めかねることも多くある。そういった時にご本人の意思ももちろん一番大切だが、ご家族の葛藤をよく理解し、様々な専門職がチームとなり最期の時までその方らしく尊厳を守られた暮らしが出来るよう支援していくことが大切だと学びました。

また、食事が食べられなくなった時、どうしても栄養が摂れないことや脱水になるのではと無理に介助をしたり、病院へ受診していただき、点滴治療や経管栄養をするなど、延命を選択しがちであるが、自然に逆らう事で肺炎や浮腫など様々なリスクもあり、ご本人をより苦しめてしまうこともあることが分かりました。

看取り期に入った方に対して、またそのご家族に対して延命をすることのメリット・デメリットを十分説明し、ケアをするチームでも何度も話し合い、またそれをスタッフ間で共有する事を繰り返していくことがとても重要だと学びました。

今回の研修で学んだことは今後の自身の介護に活かしていきたいです。