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地域貢献

はじめに

私が考える「地域貢献」は、これまで地域で貢献された高齢者の皆さんが、住み慣れたふるさとでいつまでも安心して、天寿を全うできる暮らしを施設が支えることで「地域に安心を提供」する。そして施設の在宅支援によって「在宅に安心を提供」する。この両者を満足させる地域ニーズに合った諸活動、これが近未来の「地域貢献」ではないかと考えています。その事を目標に、当法人施設が実践している現状を覗いてみてください。

 

地域貢献は“安心の提供”。

「地域貢献」を実践するにあたり、まず「地域と日頃のお付き合い」がなければ何も始まりません。「施設から見た地域」と、「地域の方から見た施設」を考えた時に、「施設から地域に出かけていく」と「施設に来ていただく」を明確にしました。

1.「地域に出かけていく」は、地域とのコミュニケーションの中から、皆さんが何を思い考えているのか、ニーズを汲み取ることができます。出かけていくには、職員に誇りと自信、それに時間的余裕を生み出さなければできません。

2.「施設に来ていただく」は、施設からわが国の高齢者福祉に関する最新情報、施設情報の提供や介護技術の普及、現場の実態を見ていただくことができます。そのためには、先端知識と高品質介護技術を常に身に付けていかねばなりません。

以上の2つを実践するためには、ガバナンスを発揮しなければできませんので「厳しい」と職員は受け止めていることでしょうが、現在に至るまでの16年間を振り返ってみた時、職員がよくついてきてくれたと思います。その職員による[地域貢献]を次に掲げます。

 

1.「施設に来ていただく」・・・

①普段お付き合いのない地域の人々も集客。

地域福祉の拠点施設としての使命を果たすため、今までお付き合いのない地域の一般生活者のみなさまにも施設を知っていただく入り口として、集客できるイベントを企画実施しています。

②家族会による「介護者教室」の開催。

家族会は2つの理由によって設置いたしました。一つは、家族の思いや要望をより広い見地からお聞きし、可能な限り施設で実践していく。二つ目は、入居までの
大変でお困りだった事実を直にお聞きし、地域に役立てる。以上の2つです。

③地域の方を月一回、バイキングにご招待。

バイキングへのご招待には二つの意義を見出しています。一つは、地域の方々に施設を訪問していただき、地域の福祉向上への施策や日々進化をとげ移り変わる現場力を実際に見ていただき、将来的な安心感をもっていただく。
二つ目は、地域の情報をリアルタイムに吸収していく事です。民生委員・町内会・老人会の皆さん、正に地域を支えている方々をご招待しおもてなしをします。毎月必ず一回は開催していますので、季節の旬を生かす工夫のなかで、特に毎年10月は「秋の味覚」と称した松茸づくしで大変好評です。

④地域の各種会合に施設を開放。

地域で行われる各種会合の会場として、広い駐車場に夏場にはエアコンの効いた会議室を、冬場には暖房の効いた会議室で、大小のきれいなスペースとイスに座っての会合ができ、お年寄りの方にも喜んでいただいています。

⑤施設の「夏祭り」が地域のイベントに

夏祭りは当施設の一大イベントです。施設を開放した地域貢献の最たるものです。
旧今須村の年中行事のように定着しています。普段は訪れることのない地域の皆さんだけでも700人を超す参加を得ています。お祭りに合わせ里帰りを兼ねた子ども連れ家族の参加者も増えています。
入居者・利用者は主に館内のイベントホールで三味線の演奏に合わせた盆踊りや日舞やプロの演歌歌手によるショーや、職員と家族とで開く多くの模擬店メニューで堪能いただいています。
外の会場でも多種多彩な模擬店をご用意。金魚すくい、スマートボールすくいに輪投げ等の参加型から、プロのピエロによるパフォーマンスやバンド演奏を聴きながら模擬店メニューを堪能いただいています。ちなみにネギマ1,000本は瞬く間に完売。
大きな鉄板2台による焼きそばは午後4時から終了の8時まで焼き続ける大盛況ぶりです。
夏祭りの成功の影には、目頭が熱くなる職員の奮闘ぶりがあることを記さずにはおれません。“施設の事をもっと地域の人たちに知ってほしい”との思いから、手づくりポスターやチラシを保育園、小中学校に配布の他、一軒一軒お宅を訪問しチラシを配布。その時会った人たちから、あたたかい声を掛けていただき職員のモチベーションが上がります。祭りの看板から模擬店、会場設営、後片付けと「地域貢献」に忙しく活動しています。

⑥ボランティアさんの積極的受け入れ。

入居者・利用者さんにとっての楽しみは「人との関わりの中で、楽しい一日を過ごす」ことですから、地域のボランティアさんを積極的に受け入れています。現在27件の個人・グループの方々にボランティアをしていただいています。こうしたボランティアさんの熱意から、職員は恩返しとして「地域貢献」のモチベーションも上がっていきます。

⑦その他、盛んに地域交流を実施しています。

地域の人々がわざわざ施設に足を運んでいただくためには魅力あるイベント開催をと「スコップ三味線」の企画実施をはじめ、小中学生対象の福祉体験教室・福祉教育、2泊3日のワークキャンプ、地元保育園児との交流、「森の子」交流、地震体験車による体験参加、介護者教室の開催など、お子様から元気な高齢者まで幅広い地域のみなさまとの交流を盛んに行っています。

 

⑧全国各地より「北欧式トランスファーテクニック」無料研修受け入れ

全国各地の施設にトランスファーテクニックを導入していただくことによって、職員の安定した雇用ができること、職員と要介護者に負担の少ない介護ができること、そして、全国各地の施設から在宅に普及していただければ在宅介護が一斉に向上できることなど、これらの思いを少しでも実現できればと、全国各地から実践研修を受け入れています。
高齢者施設で働くと“腰痛になる”といった誤った認識が広く社会に浸透している事が介護人材雇用の大きな障壁になっていますので、誤解を払拭する事もできます。
職員を福祉先進国デンマークに研修派遣後、当施設では実践結果に大きな成果が出ています。腰痛になる人は誰一人としていません。むしろ、もともと腰痛であった人が安心して介護職に就くほどで、安定した人材確保に至っています。
これまでに北は山形から、南は鹿児島まで、多くの施設を受け入れてきましたが、まだ一部でしかありません。これも「地域貢献」として取り組んでいます。
北欧式トランスファーテクニック詳細はコチラ

2.「施設から地域に出かけていく」・・・

①ポップコーンの出前演奏

「ポップコーン」は当施設の演奏グループ名です。多くのボランティアさんの社会貢献に頭が下がり、「いつか、何か、地域にお返ししなければ」と常々考えていたところ、新しいお琴のオリジナル楽器を考案された方と縁あって、各地区老人会の「生き生きサロン」に出前演奏する事を思いつきました。とにかく忙しい介護職員ですが、寸暇を惜しんで練習に励み、演奏活動に出掛けています。その時、ためになる介護の話しもします。仲良く打ち解けたところで、いろいろ質問されることに驚きました。これまで特養・在宅介護の事など知るすべもなく、いろいろ知りたがっている事を理解しました。この地域福祉における盲点を掴み取りましたので「施設から地域に出かけていく」地域貢献の大切さをひしひしと感じています。

②出前授業

子どもたちにとって高齢者福祉の話は、遠い遥か先のことで身近なことではないのですが、一生懸命耳を傾けています。知らない事を知る楽しさや、現実の世の中を知る興味があるからでしょう。優しさや思いやりといった心の大切さも醸成していける「出前授業」です。その影響があってか、当施設の入居者が運動会(玉入れ)に参戦した時、実に優しく思いやりのある気遣いをしてくれます。

③足湯の出展と広報・啓蒙活動

関ヶ原町の一大イベントである関ヶ原合戦祭りに施設の「足湯」で出展。パネルで広報活動もしています。子どもたちは何も考え無しに足湯の気持ちよさに浸かっていることでしょうが、親御さんもいますので、地域と施設の連帯感の始まりと思えば意義があり、将来的な価値としても大きいのではと捉えています。

④町主催の美術展に入居者の共同制作作品を出品

入居者もボランティアの先生も美術展に出展という明確な目標があるから自ずと力が入ります。来場者には施設名を覚えていただけ、出品者のご家族にはかなり凝った作品に驚かれ、入居者の元気な暮らしぶりで「安心の提供」ができます。

 

⑤小中学校の運動会観戦と(玉入れ)参戦。

先生方の受け入れ態勢は並々ならぬご努力、またご苦労をお掛けしているのではと常々感謝しているところです。生徒さんも入居者を社会の一員としての尊厳を大切にしていでだき、子どもたち成りの「地域貢献」に大きな意義を見出しています。その他「福祉体験教室」や「ボランティア活動」や「出前授業」など、施設と小中学校の普段のお付き合いの大切さを噛み締めているところです。

⑥奉納相撲大会観戦

子どもたちにとってみれば観客が多いほど真剣味が増す事でしょう。入居者にとってみれば好きなお出掛けができ、普段より施設でふれあっている地域の子どもたちだから応援にも熱が入ります。

 

⑦ その他にも、積極的に地域に溶け込んでいます。

独居老人宅の除雪奉仕、ゴミゼロ地域奉仕など、施設側が地域に積極的にとけ込んでいく、ふれ合いによって地域からも理解が得られ、地域の人々との間に一体感が生まれていきます。

今後の展開・・・

①家族会とのタイアップによる、認知症等の研修会・相談会の開催

介護で困っている地域の皆さんに最も見近な当施設の「家族会」は、同じ境遇を経験された先輩格ですから、地域の皆さんにとって理解しやすい利点があります。最大限の効果を発揮するために、施設は一歩引いて運営することが理想と考えています。もちろん企画から集客、会場設営はじめ、専門多職種の介護実践話など施設あげての「地域貢献」ができると考えています。

②喫茶「邑(ゆう)」を地域に開放!

前述の研修会・相談会を待てなく困っているご家族に、いつでも気軽に訪れていただけるのが地域開放の喫茶「邑(ゆう)」です。地域の皆さんが認知症における互いの悩みを持ち合い、打ちとけて話すなかで施設は地域ニーズを汲み取り、現実に即した的確な対応策が打てるいい邑(ばしょ)として「地域貢献」ができるのではと考えています。

③永代供養で安心の提供 倶會廟

施設入居の際、施設が身元引受人になったものの、亡くなられた後についての対応は難しい問題を抱えています。寺の住職である当法人の監事に相談し、共同墓「倶會廟(くえびょう)を造っていただきました。施設の入居者関係の他、地域で困っている人々にも安心の提供ができ「地域貢献」ができるのではと考えています。

④市・町の社協が中心となって推進される「社会福祉法人 西濃地域成年後見支援センター」と業務連携し協力していく。

認知症で財産管理、入院手続きなどの支援をする同センターとの業務提携によって、施設内での経験値をもとに抱えている問題点を解決していける持ちつ持たれつの協力関係によって「地域貢献」ができるのではと考えています。

まとめ

私たち社会福祉法人は地域の中の施設として、地域との連携を今後ますます強化していきます。2025年に超高齢化社会のピークを迎える要介護リスクにどのように今から立ち向かっていかねばならないかは、職員の高品質介護の進化とその技術を逐次地域社会「在宅介護」に普及していく事です。在宅介護家族の「働き手」を介護負担から軽減し、就労人口減少の歯止めにも繋げられます。こうした「地域貢献」を経て、社会福祉法人は「地域包括ケア」の「地域拠点」となり、地域福祉の向上に貢献したいと願っています。

問題は山積していますが、大切な事は一歩一歩日々着実に真摯に「地域貢献」を実践していく事だと“思い”を馳せているところです。