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Dec 21, 2013

平成25年度 全国老人福祉施設研究会議〈沖縄会議

今回2名の職員の事例発表をさせていただきました。今後も福祉、介護の発展のため、職員一同頑張って参りますので、よろしくお願い致します。

①「施設の情報発信 広報誌・ホームページ・ファミめーる」 武藤 朝記

現在では特別養護老人ホームは世間でも知られるようになりました。しかし、そこで暮らしている方々の生活の様子や、職員がどんな介護をしているのか、詳しく知っている人は、まだまだ少ないのではないかと思います。
私は現在広報委員長をしています。広報活動を通して、もっと特別養護老人ホームについて知ってもらう、理解してもらうためにはどうすれば良いかを考えました。

そもそも社会福祉法人における広報活動の目的とは何かを、様々な文献を読み、自分なりに考えてみました。
まずは、多くの人に情報を発信する事により、施設内での様子を伝える事で、ご家族には安心していただき、地域の方々には施設は特別なところではなく、ごく身近で親しみのもてる所であることを知っていただく。
そして、施設の理念を伝える事が出来る。
そうする事により、施設の信頼度が高まる。
内部の職員にもそれが伝わり、モチベーションが上がると共に、社会的責任の自覚を持つことができ、職員のサービス向上につながる。
同様に外部にもそれが伝わり、一緒に仕事がしたいという人材が集まる。
そして、地域の方々にとっては、やがて施設が自慢の場所となる。
大きな流れですが、これらの事を目標にしていきたいと思います。

当施設での広報活動の主な物としてホームページと広報誌の二つがあります。

まず、ホームページから紹介させていただきます。
当施設のホームページは、平成21年度には全国老人福祉施設協議会ホームページコンテストにおいて、最優秀賞をいただきました。
今年は11月の時点で、すでに40万件を超えるアクセスがあり、大変多くの方々に観ていただいています。

法人理念から始まり、理事長のコラム、そして特別養護老人ホーム「優・悠・邑」での一日、ショートステイでの一日、併設されているデイサービスセンター「えりかの里」での一日などが紹介されています。
また、施設での、その日の出来事などを各フロアの職員で持ち回りで日記風に毎日更新し、紹介しています。
そして、ファミめーるのサービスも行っています。ファミめーるとは、ホームページを通して、入居者様とそのご家族が写真や手紙を送り合うサービスです。また、施設での様子を職員からご家族へ送ることも出来ます。
その他にも各委員会の取り組みや、人材確保のための求人など様々な情報が載せられています。
ホームページは毎日更新し、最新の情報を発信しています。

ホームページはネットでアクセスしていただけば簡単に観る事ができますので、
是非一度ご覧下さい。

ここからは、主に広報誌に関してお話しさせていただきたいと思います。

当施設の広報誌は「優・悠・邑」から名前を取り「ゆう」というタイトルになっています。そして季節ごとに年4回発行しており、入居者・利用者のご家族、地元のご家庭、学校などに発送させていただいています。

我々は月2回、委員会を開き、各フロアの職員に集まってもらい、どんな記事を載せるのかを検討しています。その月にあったイベントなどで撮った写真を確認したり、その時の様子を詳しく知っている職員に話を聞いたりし、準備を進めていきます。
そして、広報誌の発行2カ月前から本格的に表紙のデザイン、記事の内容などを確定していきます。

それでは改めまして、広報誌の構成を説明させていただきます。広報誌は全8ページからなっています。

まず、表紙と裏表紙で2ページ。
そして中身ですが、大きなイベントなどを紹介する「特集ページ」が2ページ、入居者・利用者の方々の日常生活を取り上げる「想い出アルバム」が2ページ、主に職員の研修などを掲載する「ゆうトピックス」が2ページとなっています。

まずは、表紙から紹介させていただきます。
表紙は、季節ごとに施設内やその周辺の景色、咲いている花などを主に取り上げ、季節感を出すと共に、地域の身近にある施設である事を伝えています。写真も印象に残るような構成を考えています。そしてデザインも定期的に変えていき、飽きがこないようにしています。裏表紙は次の号が出るまでの3ヶ月分のカレンダーと施設での主なイベントを載せています。また、いつもお世話になっているボランティアの方々のスケジュールも載せています。

次は特集ページです。
特集ページでは、当施設での夏祭りなどのイベントの様子を、写真を交えて詳しく伝えています。そこには地域の方々がたくさん来苑されている様子も描かれており、誰でも訪れる事ができる所であるという事を知っていただけるようにしています。その記事を見て、また次の年も行きたいと思っていただければと思いますし、来ていただけなかった方には、来年は行ってみたいと思っていただければと思っています。
その他にも、季節ごとに外出した時の様子や、入居者・利用者の方々の素敵な笑顔を特集し、どんな時にどんな笑顔をされるのか、日常生活の様子を笑顔を通して皆さんに知っていただければと思いました。毎号テーマを考えて特集ページを作っています。

次は想い出アルバムのページです。
想い出アルバムのページでは、毎月行われているバイキングや、ボランティア、入居者・利用者の方々の誕生日会などの様子を紹介しています。
より身近な日常生活を紹介する事により、特別養護老人ホームでの普段の生活や、入居者・利用者の方々がどんな様子や表情をしているかなどを知っていただけると思います。
また、ボランティアなどでは地域の皆様にご協力をいただいており、大変感謝しています。このページで紹介させていただく事で、地域とのコミュニケーションの情報発信にもなっていると思います。

次はゆうトピックスです。
ゆうトピックスのページでは、主に職員の日ごろの施設内外での研修の様子や、地域の清掃活動に参加した様子などを載せています。我々職員が地域の一員としてどんな取り組みをしているのか、そして施設でどんな介護をしているのか、どんな勉強をして介護に取り組んでいるのかなど、職員のスキルアップに関する事などを載せ、読んでいただいている方に理解していただけるようにしています。
現在制作中の新年号から、定期連載として、当施設が積極的に行っているテーマに沿った介護を紹介するコーナーを設けました。

第一段は、北欧式トランスファーテクニックです。北欧式トランスファーテクニックとは持ち上げない、利用者の方の残存機能を活用し、自然な動きで、介護者にとって負担の少ない介護方法なのですが、それがどんなものなのかを施設内での研修の様子を写真入りで載せ、分かりやすく説明していきます。
今後は、おむつゼロへの取り組みや、職員によるドレミ・ポップコーンという楽器を使った演奏会による地域とのコミュニケーションなどを取り上げていきたいと思っています。

広報誌の内容は以上になります。
今後も、この広報活動を続け、情報を発信し続けていきます。

活動の成果と今後の課題についてですが、「広報誌」と「ホームページ」に分けてお話しさせていただきます。
まず「広報誌」ですが、「活動の成果」として、広報誌を読んでいただいている方々が、どう感じておられるのかを知るために、近隣にお住まいの方々にアンケートを取らせていただきました。
アンケートでは以下のようなご意見、ご感想をいただきました。

・たくさん情報があって良いと思う。
・夏祭りは毎年楽しみにしている。
・職員の研修の様子などが載っているのは良いと思う。
といった、ありがたいお言葉をいただきました。

しかし、それ以外にも
・文章が多く、少し読みにくいところがあった。
・写真が少し小さいと思う。
などのご指摘もいただきました。

アンケートの中にもありましたが、毎年行われている夏祭りには、今年も大変多くのご家族、地域の方々に来ていただく事が出来ました。
大変ありがたいことだと思っています。
その一方で、「今後の課題」として、必要だと思っていた情報が多すぎて煩雑になっているのではないか、というご意見もいただきました。
もう少し短い文章でわかりやすく、的確に情報を伝えなければいけないということがわかりました。
また、写真に関しては様々な大きさの写真を使い、大胆なレイアウトで皆様にもっと興味を持っていただけるよう考えていきたいと思います。

皆様からいただいたアンケートの結果を踏まえて、より見やすく分かりやすい広報誌の制作を行っていきたいと思います。
また、アンケート調査は今後も定期的に行っていき、地域との交流を深めていきたいと思います。

そして、「ホームページ」の方ですが「活動の成果」として、人材確保には、求人広告が使われますが、その広告を見た方の多くがホームページを観ておられます。理事長のコラムを観たり、入居者様や職員のフロアでの日々の様子などを観て、興味を持っていただき、一度観てみたい、一緒に働いてみたいという気持ちになり、それが人材の確保という形で表れていると思います。
来年は新しい施設が出来るという事もありますが、現在までにおよそ90名の人材を確保する事ができました。大変ありがたく思っています。

「今後の課題」ですが、毎日の更新を徹底すること。また、ファミめーるが充分活用されていないので、ご家族とのコミュニケーションの点からも、積極的に活用していかなければと思います。
現在は入居者様と、ご家族をつなぐサービスとして、施設での様子を写真に撮り、プリントアウトしたものを月に一度、郵送していますが、最近では、パソコンも身近なものとなり、また、携帯電話はほとんどの方がお持ちだと思います。
今まで施設からお送りしていた写真をファミめーるを通じて、写真付きのメールに移行することにより、お互いがリアルタイムに情報交換ができ、より身近に感じていただけるのではないかと思います。現在では入居者様90名に対して、ファミめーるのサービスを提供させていただいているご家族は14件です。今後は今まで以上に積極的に、ファミめーるの利用を呼びかけ、利用者の数を増やしていきたいと思います。

今後も広報活動を続けていく事により、初めに述べた、職員のサービスの向上、人材の確保、施設は身近で親しみのもてる場所、地域にとって自慢できる場所になるという目標に近づけるのではないかと思います。