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Jul 24, 2019

東海北陸ブロック老人福祉施設研究大会

令和元年7月18、19日に行われた東海北陸ブロック老人福祉施設研究大会に参加してきましたので、ご報告します。

1.「基調報告」融和と再生にむけて(公益財団法人全国老人福祉施設協議会 副会長 木村哲之氏)

全国老施協の現状と、今後の組織再生に向けた展望についての講習。老施協ビジョン2035についての話があった。「現場のため」「人のため」「社会のため」の三点が、ビジョンを通して伝えたい事であった。

 

2.「記念講演」医学から見た身体美学(医療法人至捷会 木村病院 木村加奈子先生)

アンチエイジングについて、実際に木村先生が講習や商品展開で実施している対策方法についての講義であった。2007年以降に生まれた人間は、今後107歳まで生きる可能性が高い事から、超高齢社会にむけ今からできる健康対策などを説明。「プロ」「プレ」「シン」三つのバイオティクス(菌を用いた腸内環境の改善)についての内容が印象深かった。

 

3.第四分科会「認知症ケアの実践」

①「触感に特化したサポートアイテム」(社会福祉法人 清修会 介護福祉施設サンリバー 浅井祐氏)

認知症状などで意思伝達が難しい利用者の、余暇生活や休息時間に心穏やかに過ごしていただきたいという願いから、触感に特化したサポートアイテムを制作し、実際に使用していただいた事例について。マジックボックス、スクイーズ、人形を利用者へ提供しその効果を観察。サポートアイテム導入により、利用者の集中や不安解消に効果があったほか、結果的に職員の負担減につながったとの事であった。

②「認知症ケアの実践、家族支援の取り組み」(特別養護老人ホームふくろうの杜 時國俊樹氏)

とある男性利用者を対象に「思いやニーズを引き出すケア」「家族との関係づくりと意向に沿ったケア」などを実施。家族との話し合いの機会を設け、本人の意向などを聞き出し、それに沿ったケアなどを実施し続けた結果、利用者本人とその家族両方に変化が現れた。

③「ユニット単位での認知症研修」(三重県済生会介護老人福祉施設明和苑 山本公子氏)

ユニット単位で、介護主任を中心にリーダー研修を実施。認知症の知識を確認したうえでのケア統一を図った他、認知症実践者研修修了者を講師とする事で、認知症ケア推進者としての成長を期待するものであった。

④「認知症高齢者の表情の変化に目を向けて~フェイススケールの有効性について~」(通所介護高岡市だいごデイサービスセンター 津田由美子氏)

意思疎通が困難な利用者に対し、表情観察のためのフェイススケールシートを作成し、表情を観察。結果、ざわついた場面では、表情険しくおちつかれない傾向にあることが判明。これにより、表情から勘定の変化を客観視できるようになったとの報告であった。

⑤「認知症状改善に向けた取り組み~帰りたい思いを知りたくて~」(特別養護老人ホームことぶき荘 徳山祐実氏)

帰宅願望の強い、とある利用者を対象に、一日1200ccの水分と2~30分の体操、24時間シートへの記入を実施。認知症タイプ別判断を行い、それぞれに対するケアを行った。カンファレンスの実施や抑制の中止により比較的状況が落ち着いたとの事。「本人の気持ちを汲んだケア」「環境整理」「認知症に対する理解」を今後の課題としていた。