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Aug 10, 2016

高齢者福祉における多職種連携推進研修会について

新館1階 堀江忠史

 

H28年8月1日、2日と多職種連携の研修会に参加させていただきました。

1日目は加藤伸司氏による「高品質かつ適切なサービスの実現にむけ高齢者福祉施設の職員に求められるものとは」と土屋典子氏による「高品質かつ適切なサービス提供体制の構築にむけた職場環境の整備」をテーマに講習を受けてきました。

2050年の推計では、高齢化率は35.7%となっており、人口の約三人に一人の割合で高齢者となっている。人口は減っているのに、高齢化率は増加傾向にある。虐待の発生原因として①教育、知識、介護技術に関する問題、②職員のストレスや感情のコントロール、③虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ、④人員不足や人員配置の問題、⑤虐待を行った人の気質などがあげられる。その中でもっとも重視すべき点は、教育の問題と職員のストレスケアの問題である。職員による虐待は不適切ケアの延長線上にあると考えられる。

適切なケアを提供する上で必要なことは、専門職として認知症という病気を正しく理解し、疾患別の特徴の理解、ケアの基本、BPSDに対するケアの基本的な考え方を理解することが必要になる。まず、職員は認知症の何を理解するべきなのか。

四大認知症の理解として①アルツハイマー型認知症、②血管性認知症、③レビー小体型認知症、④前頭側頭型認知症があるが、それぞれの特性があり、認知症の種類によってもケアの方法は異なってくる。何か問題があった時、その方の認知症の種類、特性を理解した上で、どのようなケアをすればいいのかを職員間で話し合い、アプローチしていかなければならない。

人材育成として新人職員に対して、考える習慣を身につけることや職員の中での認知症の理解度を把握し、必要であれば施設内研修を実施して、スキルを上げていく。また、認知症の方の気持ちになってみることで、もし自分がその状況だったらどうなのかを考えることができる。BPSDがでている認知症利用者の対応がそれでいいのかを振り返り次のケアに活かしていく。

2日目は小湊純一氏による「高齢者福祉施設における福祉のコンプライアンスルール」についての講習とグループワークを行いました。

理念と方向性を明確にすることで利用者個人の尊厳に繫がっていく。職員同士が話し合う時間を作り、責任を持って仕事をし、達成感を持つことが重要である。専門性について福祉の仕事をする上でも重要なことは、利用者の自立支援を促すことである。介助をやりすぎてしまうとその場では喜ばれるが依存性が高まってしまう恐れがある。次に自己決定支援で、個人を尊重した個別対応や方法を事前に知らせ自らの決定を尊重する。次に当たり前の生活支援で、その人の生活を維持・継続していけるよう支援することである。

関係性の対人援助について、入居者やその家族様への接し方等の講習では、自分から挨拶することや、目を見て話す、専門用語ではなく誰でも分かりやすい丁寧な言葉で話す等、人として当たり前のことが多くみられた。

ケアの質の低下から不適切ケアが増加し、高齢者虐待に繋がっていく。不適切ケアを防ぐためにも職員同士の関係性が重要であり、利用者を虐待から守るためにもさまざまな職種と連携してチームとして取り組んでいく事を今回の研修で学びました。長期目標として虐待の施設内研修はあまり行われていない為、まず自分自身が勉強して、皆に伝えていけるようにしていきたい。また、短期目標として職員同士の関係性をよくするために、一日に一回は同じフロアにいる職員の事を褒める事を目標にしていく。また、フロアでも各入居者のひと月の目標を掲げフロア職員が同じ目標を共有できるように取り組んでいきたい。