所在地マップ お問い合わせ よくある質問 在宅介護についての質問 個人情報保護方針 サイトマップ 
banner-mini
May 2, 2022

四国遍路での土下座でのお参り、立業、お接待との出会い

令和4年5月2日

四国歩き団参での出会いは数えきれませんが、特筆すべきものを本日は書かせて頂きます。

先ずは『土下座でのお参り』ですが、私が初めて参加した高校2年の夏休みに最初に驚いたのは、本堂と大師堂でお勤め(お経を唱える事です。)をする前に自分の名前と住所と年齢が書いたお札をお札箱に納めてから、参加されている方々が当たり前のように土下座をされてのお参りなのです。汚れたりするのが嫌な方は準備よくビニールの風呂敷等を敷かれている方もありましたが、私はそんな用意もしてないので直に土下座をしました。(それ以降もビニールの風呂敷は用意しなかったですが・・・)なんの違和感も持たずに。『半沢直樹』の土下座とは全く意図が違うのです。私も含めて団参に参加している方は「気持ちよく」と言うより『土下座が必然』と言う感じでさせて貰っていますが、土下座の集団に驚かれたり感心されたりです。でも、素直に土下座出来るのはお参りが成せる業だと思います。

それに、本堂と大師堂の前で数珠を手に重ね持ち遮二無二『般若心経』を中心にしたお経を唱えている時は本当に爽やかな気持ちになり、歩いている時のしんどさを忘れさせてくれます。と言うより11番の藤井寺から12番の焼山寺の山越え約13キロを歩ききっての時は、格別なものがあります。勿論、阿波一国の中でも20番の鶴林寺、21番の太龍寺も最高なのですが。

次に『立業』についてのお話をします。12番焼山寺から一気に山を下りて13番大日寺までの開けた集落に入り多くの小学生、中学生が参加しているので、家の玄関先に立ち『物乞い』ではありませんが『般若心経』を子ども達が大きな声で唱えます。そうすると家の中から出てきて、お金を頂いたり、お米を頂いたりします。子ども達が好んで立ち業をする場所はお菓子屋果物屋です。子ども達の戦利品になるのですから・・・。なお、お米については、お寺で使って頂きお金については飲み物の購入資金として使わせて頂くのです。「子どもをだしにして物乞い等とけしからん。」との考えもあると思いますが、決してそのような考え方ではなくて、「人の温かみを体験させたい。」との思いからです。と言うのも家から出て来て下さった方は異口同音に、「歩いてのお参りとは偉いな。頑張ってな。これお駄賃」と言う流れになるのです。

次に『お接待』の話をします。夏に行う『土用団参』は大体60人から多い時には80人の集団です。その団体が一日25キロから15キロ(距離が違うのは山越えがあるからです。)歩くのですが、休憩する場所が都合よくある事ばかりでは無いので車庫などに入らせて貰う事があります。これは常識では考えられない話なのですが、四国では許される事が殆どで車庫の所有者がみえたりしたときには、「勝手に使わせて貰い申し訳ありません。」等と言うと「何人でのお参りや」と言われて「70人です。」と答えると「私が帰って来るまで休んどき」と言われて車で何処かに行かれて、再び戻ってきた時にはアイスクリームとかジュースを買って来て下さるのです。この行為が四国には浸透していて『お接待』をした方も心豊かになれるとの信仰心が根付いているのだと思います。

そう言えば9番の『法輪寺』では境内にお店が出ていて、歩きの団体でしかも学童が中心だとわかると、売り物の焼き芋や飲み物を惜しげもなくお接待して貰った事を思い出しました。『相手に施せることの喜び』と『施して貰った事に対する感謝』この関係がこの世知辛い世の中にも脈々と残っているとの思いからリピーターの皆さん。私は地域の皆さんが喜んで頂ける事を仕事とさせて頂いている事に幸せと感謝の気持ちを大切にして、今はまだまだ盲養護老人ホーム優・悠・邑 和(なごみ)の経営で眠れぬ夜がありますが挫けず頑張って行きますのでご支援宜しくお願い致します。