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Mar 15, 2022

盲養護老人ホーム優・悠・邑 和(なごみ)の経過報告

全国47都道府県の中で岐阜県を入れて4県のみ盲養護老人ホームがないと言う事で岐阜県視覚障害者福祉協会さんからの強い要望を受けて当法人の杉和会で建設計画を立てて施設が完成し運営が始ました。私は視覚障害者の方々に施設がない事による不安を持った生活を払拭して貰うと共に日本一快適な施設を目指して昨年5月21日から事業を開始しました。

それからほぼ10ヶ月が経過した今、80床の内19人しか入っていない現状には経営面で全く成り立たない状況があり私は理事長として色んな事に悩みながらも何とか経営の建て直しをしなければいけないと歯を食い縛って頑張っています。

そんな中で学んだ事は『制度として市町村からの措置の対応に温度差があり、他国の中で評価されている措置制度としてのセーフティネットの役割が形骸化されているのではないかと思っています。勿論、憲法第25条に謳っている『最低限度の文化的生活は保障されている。」の考え方はしっかりとあるにも関わらず国からの財源が措置費は一般財源の中に組み入れられてから所謂『措置控え』を否定出来ない状況があることを否定出来ない状況があるのではないかと考えています。特に視力障害の方は一人での外出もままならない状況の中で、在宅での厳しい状況を強いられている方が多くみえるのではないでしょうか。日本のルールはあくまで申請主義が基本なので視覚障害者の方の状況を全て把握できているのかも甚だ疑問に思っています。つまり、何か家庭の中で或いは地域でトラブルでも起こさない限り行政が動かないのではないかとも思ってしまいます。さて、そんな中でも入居されている方々の様子を見ていると、どの入居者さんも毎日を快適に過ごされている姿を見るに付け「計画が実行出来て良かった。」とは思っています。

例えば、ショートステイが会わないと家に帰ってきたら今までご主人の世話をされていた奥さまの認知症が進んでいて、帰ってきたご主人に対して混乱するような言葉を投げ掛けられ視覚障害のご主人は状況を飲み込めず混乱され杖を振り回されて息子さんにも危害を加えられて警察の出動となり、和(なごみ)に警察車両で連れてこられ、施設の駐車場からシートベルトにしがみつき一時間以上車から降りられずある意味無理矢理車から降ろされた時に皮膚剥離を作られ混乱の中で施設に入られてからも大きな声で二時間以上混乱されていたとの報告を受けました。疲れられて眠られ「ここは刑務所ではない。」と理解され吉澤施設長が前夜に引き続き丁寧に話をしての対応に朝食もしっかりと摂られ、自分以外にも視覚障害者の方がおみえになり、声をかけて頂く中から落ち着きを取り戻され「ここのご飯は旨い。」とか、元々活動的な方だったようで、広い廊下をよく歩かれてます。勢いよく歩いて誰かとぶつかると迷惑がかかると言われて、自ら足に鈴をつけられ歩かれてます。これは凄いことだと思いました。と言うのは『相手の事にも配慮出来る。』と言う事だからです。

施設に来ていただければ木の香りと祈りの多い施設で朝から仏間にお経が響き、ラジオ体操を元気にされている姿は涙が出るほど嬉しいです。最高の施設です。リピーターの皆さんも一度来て下さい。そして素晴らしさを理解して頂ければ嬉しいです。