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Mar 7, 2019

平成30年度介護福祉施設等事故防止対策研修会

平成30年度介護福祉施設等事故防止対策研修会に参加して

野村 有美香

平成31年2月25日に行われた、介護老人福祉施設等事故防止対策研修会に参加しました。

講義『「介護事故と記録の書き方 そしてリスクマネジメント」‐転倒・転落、誤嚥の事故予防、大規模災害への対策から‐』というテーマで、びわこ学院大学教授の烏野猛氏による公演がありました。講義内容については、以下の通りです。

介護事故は、起きないことが一番だが、もし事故が発生してしまった場合、「事前の備え」と「事後の対応」がどれだけ的確に行われているかが重要となる。

「事前の備え」の大まかな内容としては、事故発生後どのように対応するかのマニュアルが整っていたのか、事前にヒヤリハットの分析ができていたのかといったことである。そして、「事後の対応」に関しては、事故発生後の対応がマニュアル通りにできていたのか、事故の発生状況やその後の対応などを正確に記録に残し、ご家族などに説明ができるかどうかである。そこで必要となるのが、いかに正確に説明できる力があるかどうかである。

また、説明する内容を根拠づけるためには、事故の発生状況、それまでの経緯など、明確な内容で記録に残しておく必要がある。その記録を残す際、記録の表記や内容が曖昧になったり統一されていなかったりしないよう、基準項目を決めていくことが大切である。

マニュアルや記録の基準項目など、統一する必要があるものについては、その内容を決める際、事前に職員間での意見の合致が必要となり、みんなが合意の上で統一してそれらの内容について理解していなくてはならない。

普段、施設に入居されている方、通所されている方に対して、私たちがサービス提供する上で、必ず必要となってくるのが、一人ひとりに沿って作られたケアプランである。そのプラン内容は、日ごろからその方に考えられるリスクなどに沿った内容が考えられている。それらを実施することは、必須事項であり、その内容が適切に実施されていることを証明するためにも、記録を正確に残しておくことが大切なのである。介護事故が起きた際は、これらの内容まで遡って問われることもあり、的確に証明できるようにするためにもケアプランと、実施された介護記録の整合性は重要となってくるのである。

今回の研修で最も印象に残ったのが、事故は起こってならないことであるが、リスクを回避するためには、何もしないことが一番安全ではある。しかし、事故を起こさぬために、活動を制限することが、果たして入居者様・利用者様のためになるのか。皆様に楽しく毎日を生活していただくためには、多少のリスクを負うことも大切なこともあるということだ。その際、「どこまでのリスクまでを負って良しとしていくか」という点は、自分たちの法人の理念に振り返って、やるべきことであれば実行していき、そこで起こるリスクに関しては、事故の発生を最大限に防ぐよう、事前にリスクに備えておく必要があるということである。

 

 

平成30年度介護保険施設等事故防止対策研修会(施設職員向け)

 大口 幸太

平成31年2月25日に平成30年度介護保険施設等事故防止対策研修会(施設職員向け)に参加しましたので、報告します。

初めに岐阜県高齢福祉課の方より「介護保険施設等における事故発生の防止及び発生時の対応について」の話を聞きました。平成30年10月1日より改正された介護保険施設の人員、設備及び運営等に関する基準について定めた要綱が改正ポイント。平成31年4月1日から、介護事故発生防止のための委員会に、施設外の第三者の立場の者(第三者委員)を加えることの義務化と、全職員が年2回以上、事故発生防止のための研修を受講できるよう定期的に教育を受けることが義務化になったことなどを学びました。

次に、びわこ学院大学教授 烏野猛先生より

「介護事故と記録の書き方 そしてリスクマネジメント

-転倒・転落、誤嚥事故の予防、大規模災害への対策からー」というテーマで講義を受けました。

前提として、書くことと、説明できることはよく似た技術が求められる。「知っている」、「分かっている」ことと「説明できる」ことは違うこと。そして介護事故も災害リスクも、「事前の備え(マニュアル)」と「事後の対応(初動対応)」がネックである。

「記録を書くこと」=「説明すること」であり、両方が上手できないとリスク避けることはできないことを学びました。

介護現場における5つのリスク

1、大規模災害というリスク 2、高齢者の層が変わるというリスク

  1. 介護事故が多発するというリスク 4、介護人材上のリスク 5、内部告発というリスク

どれも、「説明責任」がついてくる。「説明」をするためには、何を「考え」、そして、どう「伝える」のかが鍵になる。

今年の四月からは介護事故での第三者委員の設置が義務化される。他県では介護にかかわったことのない人を入れる県もある、今後は「説明」というのが、今まで以上にたいせつでできなければいけないようになる。「説明」を行うには「記録を書くこと」がしっかりできていないと「説明」ができず、裁判が起きた時には負ける。改めて「記録を書くこと」=「説明すること」で両方が上手でないといけないことを学びました。

最後に烏野先生より「事故(リスク)は必ず起きる」、「どこまでのリスクを負って、良しとするのか」介護事故や災害現場での対応を成否はすべてが結果論。法人の理念に立ち返り、職員間での同意が必要であることを教えていただきました。

今回の研修で学んだことを、今後の職場で生かして、勉強をしていきたいと思います。