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Feb 25, 2024

優・悠・邑 和合の施設2階のお経のあとでの話から

10時30分を回っているのに気が付き、慌ててお参りグッズを押しながら2階に行くと既にお参りが出来る様に皆さんが集まって頂いていたので、経本と数珠をそれぞれの入居者さんに職員から配って貰っている間に、阿弥陀様、蝋燭立て、線香立てを準備し、「正信偈から始めます。今日は気温が低いですが大きな声で唱えて頂いて体が温かくなるようにして下さい。私も大きな声で唱えますので。」と言ってお経を唱えさせて頂きました。

正信偈の後、御文さんを読み、引き続いて、私が滋賀信行会の団参である四国八十八箇所で覚えた般若心経を中心にしたお経を唱えている時に、私が大学生で50人ほどの団体の先達をさせて頂いている時の事が頭に浮かびましたので、お経を終えてから講話の様に話をさせて頂きました。

その話を本日はさせて頂く事にします。その当時の滋賀信行会の団参は1番札所がある霊山寺の最寄りの駅(坂東)から23番札所薬王寺まで全て歩きです。団体は最年少は小学1年生から最高齢は75歳の方までと年齢層は幅広い50人程度の団体です。

1日目は6番札所『安楽寺』までは比較的起伏の少ない遍路道で何のトラブルもなく歩く事が出来ました。

2日目11番札所『藤井寺』までも問題なく歩けたと思います。

そして3日目は藤井寺の裏山から急な山道になります。この工程では12番札所『焼山寺』までの山の昇り降りを繰り返し焼山寺は海抜1200mある山の頂にあるので、朝7時に出発をして焼山寺に早い方は12時過ぎに着いているのですが、しんがりは2時間以上遅れての到着となります。その他にも20番札所『鶴林寺』の道は最後の上りは険しいものがあり、21番札所『太龍寺』の山越えも大変ですが、本日お話をさせて頂いたのは20番鶴林寺の奥の院『慈眼寺』の行場での話をしました。

『行場』と言うのはいわゆる『修業の場』のことです。そこは慈眼寺から急な坂を約20分歩いたところにあり、行場に入る前に身を清め男女共にパンツの上に白衣をまとうのみです。行場に入る前にそれぞれに1本の蠟燭が手渡されます。と言うのはその行場はいわゆる洞窟で人一人が通れるくらいの所なのです。実際には相撲取りの方でも通れると言うのですが時には通れなくなるアクシデントが起きます。その時に通れなくなったのは当時小学4年生の男児でした。その子は正直落ち着きがなくて先達である私の言う事がなかなか聞けなかった子です。洞窟の中では先頭を行く洞窟の事を知り尽くした方の言われる通りに進む事を約束して貰い、先頭の方が例えば「右足から進んで」とか「左向きになって左足がついたら左足を」とか言われた通りに進むのです。

ところがその4年生の子は自分が体が華奢だから大丈夫と思ったのか指示に従わなかった為か、身動きが出来なくなってしまいました。前にも後ろにも行けない中「体が通れますように」と全員で般若心経や不動明王様のご真言を唱えて30分後には何とか抜け出す事が出来ました。その後その子は指示に従う様になりました。この現象は「仏さんが罰を与えた」のでは無くて「戒めて頂いた」と思っています。と言う話をさせて頂きました。入居者さんはお経も含めて一生懸命に参加して頂いた事に感謝です。